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プリンス×プリンセス

第72章 聞いてない!

お前、その手は何だよ!?

手で制するって…俺はお前の飼い犬か!?

「…そうか。…いや、構わない」

面白くなくて、その手をぱちんと払う。

通話中のまま、ディオは俺を見て眉を上げると

「その件は君に任せたと言った筈だ」

そう言って…目を細めて微笑んだ。

何だ!?

誰と話してるんだ!?

「ああ、分かった…頼む」

頼む!?

ディオが『頼む』だって!?

通話を終えて、携帯電話を元に戻したディオについ噛みついてしまう。

「今の電話!政務の話じゃないだろ!?」

「何故そう思う?」

「お前が『君』なんて呼ぶ奴、誰なんだよ」

フェールロコノでそんな呼称で呼ばれた奴なんかいない。

それに…通話中の、あの笑み。

誰に向けられたものなんだ…?

ディオは俺を見て、一瞬呆気にとられて…

「成る程」

そう呟いた後、くくっ…と笑いをこぼした。

「それで?お前は妬いているのか?」

「な…っ!!」

お前、馬鹿か!?

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