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プリンス×プリンセス

第72章 聞いてない!

今の会話のどこを聞いたらそんな解釈になるんだよ!?

言葉に詰まって口ごもってしまう。

そんな俺を、ディオは笑いながら見ている。

「グレイスだ」

「は?」

「お前が気にしている…電話の相手」

そう言って手を伸ばすから…

反射的に払いのけようとした俺の手を、逆に掴まれた。

「お前が…っ!変な話し方するから!」

「普通に話していただけだが?」

だから…っ!その笑みを引っ込めろよ!

「だったら…騙そうとするような言い方するな!」

掴まれていた手を無理矢理振り払うと

「お前を騙そうとした事はない」

おいおい!どの口が言ってるんだ!?

眉を寄せて、ディオを睨み付ける。

すると、ディオは鼻先で小さく笑い、信じられない言葉を口にした。

「必要ないと判断して言わないだけだ」

…はぁ?何言ってるんだ!?

「言えよ!」

言ってくれなきゃ分かるものも分からないままだろ!?

「言ってもいいのか?」

そう聞くディオの瞳は…いつもと同じ、澄んだ青色なのに…

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