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プリンス×プリンセス

第72章 聞いてない!

頷いてから、眉を寄せてディオを見る。

姉上とグレイス王女が仲良くしている。

それは喜ばしいことで…気に入らないなら、わざわざ旅行先をここにはしなかっただろ?

だったら何でそんな顔をするんだよ。

「話をそらすな!」

「何だと?」

「それは『必要ないと判断して言わない』話じゃないだろ!?」

確かに聞かなくてもどうってことない話だけど!

「そうじゃなくて、俺が聞きたいのはもっと…お前を悩ませてるもので…」

「それは話せない」

「はぁ?」

突然の拒絶に、驚いて目を見開いた。

「俺と共に生き、同じ枷を負うなら、全て話そう」

枷?

こいつ…何言ってるんだ!?

目を見開いたままの俺に、ディオは意地悪く笑みを向けると

「お前にその覚悟があるならな」

そして、ようやく俺の手を離した。

ずっと掴まれていたからか、離れているのにまだディオの手がそこにあるような感触が残っていて…

「そろそろ戻るか」

その声に、無理矢理頷く。


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