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プリンス×プリンセス

第10章 下準備

その言葉に、カッと血が上った。

ディオチェスターの胸ぐらを掴み、間合いを詰める。

「悪いかよ!!」

「テリオス様!?」

カムリが大きな目を更に見開いて叫ぶ。

その声に、ハッと我に返った。

胸ぐらを掴んでいた手を離し

「…悪かった」

謝罪しつつディオチェスターを見れば、奴は俺が掴んだ辺りを手で払い、つまらなさそうに目を反らした。

…何も反応無しかよ。

掴みかかった事も、謝った事も、どうでもいいってか?

無言で睨み付けると

「…すぐにお風呂のご準備を致します!!」

この状況に堪えられなくなったのか、カムリが声をかけてきた。

そして、踵を返そうとした所を引き止める。

「カムリ、いいよ。お前だって疲れてるだろ?」

準備してもらわなくても、シャワーくらい一人で浴びれるし。

…って言うか、俺と同じ仕事したんだから、カムリだって風呂に入りたいだろうに…

「あ、そうだ。一緒に入るか?」

俺の提案に、カムリは驚きの声を上げた。

「え!?」

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