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プリンス×プリンセス

第73章 駆け引き

ディオチェスター様が私の国にやってくる。

その報告を受けて、やっと役に立てると奮起した。

あれから約1年。

積み上げてきたものが、ついに実を結ぶかもしれない。

そんな思いでお迎えをした。

私の出来る範囲で、それでいて負担に思われない程度におもてなしもして。

なのに。

何故こうなってしまったのだろう?

悩んでも答えは見つからない。

頭を押さえてため息をつく。

そして、ため息の原因を見た。

胸の辺りまで水に浸かり、幼子に笑われている…私の婚約者を。

この状態で、どうしたらいいのか。

自然な流れを頭のなかでシミュレーションする。

そうね、まずは…

「ユーノス、手伝いましょうか?」

声をかけて、畔まで近づく。

「あー…うん、大丈夫。足つくし」

そう言って、あははっと笑いながら湖から這い上がった彼に、ティアナ様の従者が慌てて駆け寄った。

「どうぞお使い下さい」

差し出されたのは、ふわふわのタオル。

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