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プリンス×プリンセス

第73章 駆け引き

驚きの表情を作って、ティアナ様を見つめる。

「ティアナ様…?」

この行動は自分でも白々しいと思う。

ユーノスなんか、眉を寄せて奇妙な表情をしている。

私が何をしたいのか、ユーノスは知っている。

知っているけれど…これは当然かもしれない。

でもティアナ様はそれに気付かない。

私との距離を歩み寄りながら、胸に手を当てて懇願してきた。

「私にもお詫びさせて下さい」

願ったり叶ったりとはこの事ね。

…でも。

私はふるふるとゆっくりめに首を横に振った。

「でも…ティアナ様にそんな事はさせられません」

「そもそも、マックスの相手をしてくれていたからこうなったのですから。私の責任でもあります」

子供のした失敗を親が尻拭いする。

至極まっとうな考えだわ。

それだけでティアナ様がマトモな人なのだと理解できて好感が持てた。

…それでも……

眉尻を下げて、目線を下気味にして、考える…ふりをしてみせる。

これで間違いはないのかしら?

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