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プリンス×プリンセス

第73章 駆け引き

私の提案に、ティアナ様は驚きの声を上げる。

そしてユーノスは眉を寄せる。

「え?別にそんなことしてもらわなくても…」

ユーノス、黙りなさい!

ティアナ様に見えないようにユーノスを睨み付けると

「ビジネスに遅れるのは本来許されないことよ?」

すぐににっこり微笑んで、

「ですが事情を説明すれば、怒りを収めてくださるでしょう」

「その説明…俺だけじゃ駄目なのか?」

「きっとね。こういう時は今までの行いが物を言うものよ?」

ユーノスが渋い表情を浮かべた。

さて…これからが勝負よ。

傍目にもよく分かるように大きめにため息をついてみせる。

そしてティアナ様を見ると

「申し訳ありません。そういう事ですので、私達はこれで」

軽く会釈をして、ユーノスと共にティアナ様の前を通過した。

…私の読み通りなら…もうすぐ

「待って!グレイス様。それならば私も…!」

…かかった!!

内心ほくそ笑み…

けれどそれを一切表に出さず、振り向いた。

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