テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第73章 駆け引き

ああ!この瞳は…

ディオチェスター様と同じ色の瞳。

フェールロコノの国王様も同じスカイブルーの瞳の持ち主だったわ。

やっぱり…血は繋がっているのね。

きょとんとティアナ様を見つめる幼子に微笑みかける。

あなたを悲しませるつもりはないのよ?

だから、お願い。ね?

私の想いが通じたのかしら?

ティアナ様は侍女に向き直ると

「マックスをお願い」

「かしこまりました」

侍女は一礼すると、ティアナ様からマキシミリオン君を受け取った。

…良かった。

これで計画通り。

思わずゆるみそうになる頬を引き締めて耐えていると、ティアナ様の従者が声を上げた。

「お待ちください」

え?

「その…ティアナ様だけで向かわせるのは…」

今回同行した従者の中で、一番格下の人。

気弱そうな雰囲気なのに…

さすがはディオチェスター様の従者ね。

彼の対応が何故か嬉しくて…無意識に笑ってしまう。

「あら?護衛が必要かしら?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ