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プリンス×プリンセス

第74章 あなたは誰?

ティアナ様がいなくて不安がっているんだろう。

「マキシミリオン様、ティアナ様はすぐに戻られますよ」

不安を拭うように、あえてにこやかに答える。

でもマキシミリオン様は笑顔にはならなくて…

「まぁー…ないない?」

ますます不安がって、周りに視線を飛ばしている。

ないないって…いない、って意味であっているはず。

謝罪といってもそんなに大した問題にはならないだろうから、時間もかからないだろう。

「あー…でもすぐですよ?」

さっきと同じ言葉を繰り返してにっこり微笑んだ。

その途端

「んーーー!」

マキシミリオン様が口をへの字に歪ませて、唸り声を上げた。

ヤバい!!

これは…泣き出す前兆か?

そうなってしまったら手立てがない。

どうしたらいいのかうろたえてしまうと、シルフィが甲高い声で話しかけた。

「マックス様。シルフィですよー」

両手を広げてアピールすると、マキシミリオン様が唸るのを止めた。

「止まった…」

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