テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第74章 あなたは誰?

「あの時、ユーノス様が場をとりなして下さったから良かったけど」

「確かに」

くしゃみのお陰で緊迫感が緩んだのは間違いない。

思い出してつい笑ってしまうと、シルフィは咎めるように眉を寄せた。

「そもそも、タオルを差し出す前に何故ティアナ様の許可を得なかったの!?」

「え?まずかった!?」

目の前にずぶ濡れな人がいて、拭くものを持っていたら手渡すだろ?

それに許可って…必要?

「従者が勝手に動いたら、ティアナ様の品格が下がるでしょう?」

「…そうなのか?」

シルフィは大きくため息をついた。

「勉強不足ね。…だからルークスさんにいつも怒られるのよ」

シルフィの言葉がグサリと突き刺さった!

「いつもとか言うなよ!」

「だって…!」

「まぁ?」

言い返そうとしたシルフィがピタリと止まった。

慌ててベビーカーを覗き込むと

「ねー、まぁーは?」

マキシミリオン様が周りをキョロキョロと見回していた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ