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プリンス×プリンセス

第74章 あなたは誰?

その後。

グレイス様を残して、僕達は戻っていった。

マキシミリオン様は始終ご機嫌で。

そんなマキシミリオン様を見守るティアナ様もにこやかだ。

楽しいピクニックが出来て、結果的に良かったなと思ってほっとしていた。

そして、その夜―――

「え?テリオス様がお出かけに?」

デュアリスさんの伝言に、慌てて身支度をしようとしたのに

「もう出掛けました。ルークスが付いています」

「あ…そうですか…」

手にした上着を元に戻し、ため息をつく。

いつもならテリオス様に付くのはいつでも僕なのに。

どうして一言も言わずに行ってしまわれたのだろう?

「どうしました?」

「いえ。何でも…」

首を振れば、デュアリスさんはクスッと笑みをこぼし

「そんなに気落ちする必要はありませんよ」

「え?」

そんなに顔に出ていたんだろうか?

咄嗟に顔を手で覆い、デュアリスさんを窺い見ると

「どうせ今日だけですから」

そう言って、デュアリスさんはニッコリと笑った。

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