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プリンス×プリンセス

第74章 あなたは誰?

「マキシミリオン様、まぁが戻りましたよ」

するとマキシミリオン様はパッと晴れやかな笑顔になった。

「まぁー、まぁまー」

手を伸ばし、ティアナ様へ猛烈なアピールを始めて…

その姿が可愛くて、自然と微笑んでしまう。

その声がティアナ様に届いたのだろう。

「あ…」

グレイス様と共にこちらへ歩いてくる。

でもその足取りが…

何だかふらついているような…?

「ティアナ様…?」

「大丈夫。何でもないわ」

支えようと手を差しのべるも、ティアナ様にやんわりと断られてしまった。

僕の脇を通りすぎて、ベビーカーの前で身を屈める。

「マックス、お待たせ」

「まぁまー。ぴっぴぃ、うーちゃ」

やっとティアナ様を見つけ、マキシミリオン様は興奮気味のようだ。

手足をバタバタさせながら、一生懸命に伝えようと言葉を紡いでいく。

「楽しかった?待っていてくれてありがとう」

どこからかクスッと笑う声が聞こえた。

その方向へ振り向けば…

グレイス様の唇が、綺麗な…綺麗すぎるくらいのアーチを描いていた。

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