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プリンス×プリンセス

第11章 ティアナの思い

会話の内容を思い返して…

「あ!!ひどいわ」

ジュークに乗せられた事に気付き、彼を軽く睨む。

だけど、ジュークを見ていたら堪えきれなくて、吹き出して笑ってしまった。

「その方がいいですよ」

「え?」

「嘆くより、笑っていて下さい」

そしてジュークはにっこりと笑みを浮かべた。

「ジューク…」

「嘆いて後ろを向くのは簡単です。ですが、自分に何が出来るかを考えて前を向いて下さい」

言葉自体はとても厳しいものなのに、声音はとても優しい。

「ありがとう」

だから、自然に笑顔になれた。

「そうね。その方がいいわ」

「では、何か召し上がりますか?」

急に話が変わり、ジュークを窺うと

「シルフィが貴女のお好きなフルーツを用意しています」

あ…

席をはずすと部屋を出ていったのは、その為だったのかしら。

シルフィにも心配をかけてしまったわ。

「そうね、戴くわ」

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