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プリンス×プリンセス

第78章 柔らかな温もり

「まま、抱っこぉ」

甘えられて、嬉しくなる。

ふとジュークを見れば、眉をひそめて私たちを見ていて…

「…いいかしら?」

「どうぞ」

許可をもらえたけれど、すぐに視線を反らされた。

さっきの表情といい…

不満?

面白くないのかしら…?

それは…そうよね。

フェールロコノの為にルーミーを連れてここに移り住んで。

1人で子供を育てながら働くのは、私の想像より大変だったでしょう。

その苦労を知らない私に、ルーミーが好意的ならば…面白くないわよね。

ルーミーは無邪気に笑って、手を上げている。

抱っこしてもらえると確信している様子に、私も身を屈めてルーミーを抱き締める。

そのまま抱き上げて、自然と微笑んでいた。

マックスより柔らかくて抱き上げやすい。

男の子と女の子の違いかもしれないけれど、その違いを1年経って初めて知ったわ。

背中をトントンと揺すっているうちに、ルーミーは眠くなったようで、ダランと腕が落ちた。

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