
どっちもぼっち。
第1章 みかん色に染まりたい柚と染まるきのないライム
「人気者さまなのに、学校探検の班には入れなかったんですよね~?」
「あっ……あのころはまだ入学したてだったからなあ」
「入学して大分経ってからの遠足でも、レジャーシートに入れなかったんですよね~?」
「ああっ……あのときは俺たち人間よりシートへ入りたがる働き蟻さんたちを優先してあげてだなあ」
「そもそも仲のいい人とペアになる権利を得た上で、仲のいい人とすら組めなかったことを言い逃れできますか~?」
「……」
「さささ、さっきは組んでとたのむ友人の申し出を断っても尚その桃尻を触りたくて仕方がなかったんだよ。ははは、ハァハァ。ちょっとおじさんにパンツ見してごらん」
(こころで泣きながら)セクハラ優として振るまうことで弱い自分を誤魔化すため、(こころで泣きながら)その場にかがみ込みスカートの奥を覗――
「うぶぁアッ!?」
――こうとした辺りで、座っている結城ドS女からのするどい前蹴りが俺の顔面を捕らえた(からだでも泣かされた)。
