アイツまで徒歩5分
第1章 新たな門出に落とし穴!
俺だって!あんな事がなかったら、ガッツポーズの人なのに!
「心から喜べない………」
「んっだよ〜贅沢者だなぁ!
あっ!?全然、仕事教えてくれない職人タイプだったとか?“仕事は盗み覚えろ!!”みたいな?」
「いや!そんな事はない!仕事は丁寧だし、勉強になる!技術を出し惜しみしたり、隠したりしないし!聞いたらちゃんと教えてくれる!
指示も的確だし、穴がない!
モデルルームの魅力が解ってくると仕事が楽しくなってくる!!」
「ほほ〜ん…なら、何故に疲れきっているんだ?」
う゛……
だよな―――――…小泉もそう思うよな…
仕事の先輩としては…尊敬出来るのだが…
なんせ…写真の件があるから…
毎日…陣ヶ岡さんの隙を狙って削除を試みているが…
アイツ……隙を作らない!
仕事中は完璧だし!!
「はぁ〜…俺もあんな事が無かったら…手放しで今の状況を喜べたのに」
「―――…あんな事?」
俺は、ポロッとでた一言にハッと我に返る!!
「いや!なんでもね〜よ!」
危ない!会話をそらさないと!
「――――…何?何かあったのか?」
「いや!だから、何でもないって!!この、エビフライ上手いぞ?小泉食べてみるか?」
小泉が、怪訝そうな顔をして俺を見る――――――…