アイツまで徒歩5分
第9章 どちらかと言えば……?
それからは…何とか二人の会話を邪魔しないように…
資料の提出や説明に専念した…
でも―――――…まったく…
上手くいかない…
陣ヶ岡さんと…そよ子さんは…周りの人が…微笑むくらい絵になってて…
俺は、背景の花瓶にも…なりゃしない…
自分の顔に不満はなかったが…
こうも、完成度の違いを見せつけられると……ダークな感情?も生まれる…
そして、そよ子さんとの打ち合わせは、後日物件をみながら…と、言うことになった…
「陣ヶ岡さん…では、次お会いするのを楽しみにしていますね」
そよ子さんの綺麗なお辞儀を見せられ…
また…黒い変な部分がチクチクと痛む…
「はい、では後日」
陣ヶ岡さんも――――…ニコニコしてる…
笑顔…多くないか?
俺は、陣ヶ岡さんより一歩下がった場所で深くお辞儀をした