アイツまで徒歩5分
第9章 どちらかと言えば……?
ホテルのロビーラウンジでしっとりと…進む会話に――…
さっきから胸が痛い―――…
「では…そよ子さんは、防音対策を重点にリフォームしたいのですね…
では―――――…最知、資料――…最知?」
あっ!!俺は、自分の名前を言われて…やっと、地に足を着けた気分になる…
「あっ///はっはぃ!!」
俺は、慌てて資料をテーブルに広げた――――――…
「最知…さっきから大丈夫か?具合でも悪いか?」
「あっ///だっ…大丈夫です!あまりにも美しくて……」
俺は、思考が停止していた事や…
疎外感なのか…苦しくなる胸の痛みを誤魔化した…
「///美しくてだなんて…ありがとうございます」
ズキン…と、トキメキじゃない…不安が胸を刺した…
「――――最知…?」
陣ヶ岡さんが心配そうに俺を見るが…すぐに資料に視線が向けられる――――…
ズキン――――…
自己嫌悪…
仕事中なのに…
仕事に集中してなかった…
陣ヶ岡さんの足を引っ張りそうで…
怖い…