アイツまで徒歩5分
第11章 夢は高く!目標は低く?
「俺は、家を出て―――…
唯一持っていたインテリアコーディネーターの資格で―――…今の会社に就職した…」
陣ヶ岡さんは、ジッポライターでタバコに日をつけた…
「この7月15日は……
姉さんが流産した日だ―――…
俺が先輩を好きにならなければ…
ノーマルの男性を…好きにならなければ…
姉さんは、結婚して赤ん坊を抱いていたかもしれない…
そう思うと――――――…
恋愛が怖くなったし…
普通の男…ノーマルは…恋愛対象に絶対見ないって決めたんだ…」
ジッポライターの火を見つめ…
静かに蓋をした…
「――――…でも…俺は…最知を好きになっちまった…
また…同じ過ちを繰り返すかもしれない――――…
俺は、大馬鹿者だ―――…」
陣ヶ岡さんは、困った顔をして…
ジッポライターと…ワイパーに挟まっていたメモとを見比べる…