アイツまで徒歩5分
第3章 火の無い所に煙は立たない
綺麗な声に、一瞬戸惑い…
後ろを振り向くと――――…
陣ヶ岡さんと並んでも釣り合いが取れる…
長身で美しい男性がこちらに歩いてくる…
「和磨、待たせちゃったかな?」
「いや、今着いた所だ…気にするな」
家具メーカーの男性は、にこやかに陣ヶ岡さんと会話を始める…
もともと知り合いなのだろうと…気にも止めず俺は、打ち合わせの準備に入る…
「久しぶりだけど……仕事忙しいの?」
「まぁな…新人の教育係だし…」
陣ヶ岡さん…嫌々教育係やってるって感じにとらえられちゃいますよ!!
「ふ〜ん…だから電話しても後回しだったの?夜は関係なくない?
―――――…あ、ゴメン…仕事中だったね…
彼に聞こえたらマズイか…」
「あぁ…こいつは良いんだ…
玄関で、俺たちの事見てた奴だから」