アイツまで徒歩5分
第14章 【最終章】思いでは美化され腐りきる
「ガキんちょ…お前まだ若いだろ―――…」
「――――…18だけど」
「若っ―――!
お前…俺がいくつか知ってるか?
29だよ!29!」
ガキは、「え?」と驚き顔で俺を見る――――…
おぃおぃ…何歳だと思ってたんだよ…
「……結構…年だね…おっさん…」
う゛…くそガキ…
「―――…返す言葉はね〜よ…
つ〜かさ…俺だって…この歳にもなって…
家族にすらカミングアウトできないでいるわけよ…
ま―――…いまだにカッコ悪い姿は…一人にしか見せてない…」
ガキは、何かを察した様に…「あ――…そぅ…」と…口元を緩ませた…
「お前…まだ若いんだし…
これから修正可能のタイミングはいくらでもあるだろ?
やけになって――――…大好きな…兄ちゃんに自分から嫌われることね〜だろ…」
「――――……」
「何か言えよ」
「――――…聞こえてるよ」
ガキは、頭をかきながら…
はぁ…っと、ため息をつく…