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ミニスカート

第5章 教室は不思議都市

ホシオは中学2年生。
初恋の真っ最中。相手はマコちゃん。とっても可愛くて、スポーツも万能な女のコだ。
でも、告白もできずに片想いである。

マコちゃんが好きな気持ちが抑えきれなくて、ホシオは夜の誰もいない教室に忍び込もうとしていた。

マコちゃんの縦笛を舐めて間接キスをしたい。
こんなことをして後ろめたい気持ちがあるが、マコちゃんとキスをしたい想いが止められない。

「マコちゃん」と叫んでホシオは教室の扉を開けた。

その向こうは信じられないことに宇宙空間になっていて、ホシオは吸い込まれるように宙に浮いた。

と、思ったら、いつの間にか地面にいた。ただし、地割れが迫ってきていてホシオは悲鳴をあげて走り始めた。
火山が爆発して、今度は溶岩が流れてくる。

ホシオは悲鳴をあげて一目散に走る。
走っていると、土星の輪の上を走ったり、忍者が戦っている屋根の上を走ったりしている。

殺されそうになりながら懸命に走ると、王様の前に走りついた。

「ボクはキミが逃げると思った。一瞬でも疑ったボクを許しておくれ」
「ボクも一瞬だけ逃げてしまおうと思ったんだ。一瞬でも裏切ろうとしたボクを許しておくれ」

二人の男が涙を流して抱き合っている。
ここは走れメロスの世界。
不意に二人の男がホシオを睨んだ。

「思ったとおりだ、コイツは縦笛を舐めるために教室に忍び込んだ」
「ああ、卑劣な人間だ」

王様が立ち上がった。
「死刑、縦笛を舐めようとした罰で死刑を言い渡す」

王様の死刑宣告が下され、大勢の兵隊たちがホシオに迫る。

ホシオは懸命に走って逃げた。しかし、追いつかれるのは時間の問題だろう。

「こっちだ」
不意に手を引かれて、今度は洞窟の中を走っていた。手を引いてくれたのは担任の丸山先生だった。

「先生、どうしてここに?」
「お喋りしている暇はない。来るぞ、来るぞ~」

大きな地響きがして、巨大な岩石が転がってきた。このままでは潰される。

二人は悲鳴をあげて全力で走った。
岩石はすごい勢いで迫ってくる。全力で走るしかない。

全力で走り抜いて洞窟から抜けた。しかし、その先は空中であり、二人は悲鳴をあげて急転直下に落ちて行った。

落ちているうちに世界が変わった。
しかし、安心する暇はない。腹を減らした巨大な生物が迫ってくる。

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