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第8章 開国港の休日

黒船祭。
この開国港の街で毎年5月中旬の金土日に開催されるこの土地で最大の祭である。

今年はその黒船祭に加えて日曜にBLACK SHIPというサブカルチャーの祭りもぶつけてくるとのこと。

たぬ吉はその黒船祭をすごく楽しみにしていた。たぬ吉は元々お祭りが大好きである。
小学生からおばさんまでいろんな女のコが見れて目の保養になるから・・・

祭だから浴衣姿はもちろん、幕末開国の街を再現しようという祭だからいろんなコスプレをした女のコが楽しめる。

たぬ吉は大の女好きであり、そのストライクゾーンは小学生から40代までと幅広い。

ちなみにコスプレは1日1000円で衣装を貸与され、コスプレをするとこの街のあらゆる観光施設に半額で入場できるという特典も付く。

たぬ吉はコスプレはしない。
知り合いに見られたらイヤだしね・・・

たぬ吉はうだつの上がらない営業職であり、この街には単身赴任で来ている。

もうひとつのたぬ吉の顔はモノカキになりたいこと。中学生の頃からもう30年もモノカキをやっている。まあプロにはなれず。現在ではインターネットのサイトに投稿をするぐらいのものである。

いろんなイベントとかでは地味に布教活動もしていて、もちろん黒船祭やBLACK SHIPでも布教活動はする。

去年の黒船祭では、アイドルさんに声をかけられて、CDを買ってサインをもらい、浴衣姿のキュートな写メを撮らせてもらったうえに、ちゃっかりそのアイドルさんにフデカツのアピールまでした。

まあアイドルと言ってもそんなにブレイクしていないアイドルなのだが、それでもアイドルには違いない。

CDにサインを入れてもらう時にバオバブでお願いしますと言ったら「バオバブさん?」と不思議がられたので、自分がモノカキをやっていることをアピールして、ちゃっかり布教用のプロフカードまで渡したのだ。

バオバブというのは、たぬ吉が中学生の頃から一貫して使っているPNであり、地道に知名度を上げている・・・

さて、今年はどんなハプニングが起こるかなと
わくわくしているたぬ吉であった。

知らない人たちだけど、今年も女性のアイドルさんくるし・・男性のアイドルも来るみたいだけど、そっちはどうでもいいや、面倒くさい・・

単身赴任は普通2年。今年が2回目にして最後の黒船祭だし・・

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