
僕らの恋愛のカタチ
第1章 夕暮れの中の2人
『あー、これはこの公式を使って……』
「なるほど、流石理系」
赤く優しい光に包まれた教室で、
俺達2人は勉強していた。
この勉強会は高校3年生になってから
毎週月曜日と金曜日に開いている。
「やっぱり和也は教えるのうまいな」
俺がそう褒めると机を挟んで座っている
和也がくすぐったそうに笑った。
『文人の説明もわかりやすいけどな』
微笑みながら名前を呼ばれた俺は
同じ様に笑った。
俺、朝比奈 文人(アサヒナ アヤト)と
机の向こうにいる飯田 和也(イイダ カズヤ)は
高校1年生の時に出会った。
和也は俺の後ろの席で、最初は人を寄せ付けなそうな雰囲気があったが、話してみたら会話が弾んだ。
『そういや、明日体育あったな』
「冬の体育は寒いからなー、しかも持久走だろ?」
『短距離なら得意なんだけどさ』
他愛もない会話。でも、そんな会話さえ愛おしい。
あと4ヵ月程で俺達はこの高校を卒業する。
そうしたら和也と過ごす放課後の時間もなくなる。
『ふぅ、今日はこのくらいにしておくか』
「うん、じゃあまた金曜日だな」
勉強道具を片付けて、教室を出る。
廊下は隙間風が吹いていて冷たかった。
校門を出て自転車を押す和也と途中まで帰る。
和也は自転車通学だが、俺は電車通学だ。
駅まで着いて、別れの挨拶を告げる。
「じゃあな、また明日」
『おう、気を付けて帰れよ』
そう言った和也は俺に背を向けて自転車を漕いだ。
男に気を付けて帰れよなんて言うなんて変だが、その言葉が嬉しく感じた。
あぁ、はやく金曜日になればいいのに、なんて。
「なるほど、流石理系」
赤く優しい光に包まれた教室で、
俺達2人は勉強していた。
この勉強会は高校3年生になってから
毎週月曜日と金曜日に開いている。
「やっぱり和也は教えるのうまいな」
俺がそう褒めると机を挟んで座っている
和也がくすぐったそうに笑った。
『文人の説明もわかりやすいけどな』
微笑みながら名前を呼ばれた俺は
同じ様に笑った。
俺、朝比奈 文人(アサヒナ アヤト)と
机の向こうにいる飯田 和也(イイダ カズヤ)は
高校1年生の時に出会った。
和也は俺の後ろの席で、最初は人を寄せ付けなそうな雰囲気があったが、話してみたら会話が弾んだ。
『そういや、明日体育あったな』
「冬の体育は寒いからなー、しかも持久走だろ?」
『短距離なら得意なんだけどさ』
他愛もない会話。でも、そんな会話さえ愛おしい。
あと4ヵ月程で俺達はこの高校を卒業する。
そうしたら和也と過ごす放課後の時間もなくなる。
『ふぅ、今日はこのくらいにしておくか』
「うん、じゃあまた金曜日だな」
勉強道具を片付けて、教室を出る。
廊下は隙間風が吹いていて冷たかった。
校門を出て自転車を押す和也と途中まで帰る。
和也は自転車通学だが、俺は電車通学だ。
駅まで着いて、別れの挨拶を告げる。
「じゃあな、また明日」
『おう、気を付けて帰れよ』
そう言った和也は俺に背を向けて自転車を漕いだ。
男に気を付けて帰れよなんて言うなんて変だが、その言葉が嬉しく感じた。
あぁ、はやく金曜日になればいいのに、なんて。
