
僕らの恋愛のカタチ
第1章 夕暮れの中の2人
翌日、通学路で和也に会った。
『おはよう、今日も寒い』
「おはよ、お前が早いなんて珍しい」
和也と朝一緒に登校することは滅多にない。和也はだいたい登校時間ギリギリにやってきて、俺は朝早く、人がいない通学路を歩く。そして彼は何故か自転車ではなく徒歩で来ていた。聞いたところタイヤに穴があいてしまったらしい。
『たまには早く来てみようかと思ってな』
「そうか」
謎の発言を受け流してまたくだらない会話をする。口から出る言葉は白い空気となって消えた。
『あったかそうだな、手袋』
「あれ、いつも手袋はめてなかったっけ?」
『忘れた』
「じゃあ、はい」
何故か俺は自分のはめている手袋を外して渡した。
『おお、お気遣いありがとう。だけどそれじゃ文人の手が冷たくなるだろう?』
そう言った和也は片手だけ手袋をはめて、もう一つの手袋は俺の左手にはめた。そして和也は俺の右手を左手で繋いだ。
『こうすれば2人とも寒くない』
笑いながら話す彼の手は冷たかったけど心地よかった。
だが俺は心地よさより恥ずかしさが勝っていて顔が真っ赤になった。
「……俺、別に男が好きとかいう趣味じゃないんだけど」
『ん?俺もべつにそんな趣味はない。だけどこうしていればあったかいだろう?』
俺はあったかいを通り越して熱いくらいだった。ぶんぶんと手を振っても和也は手を話すことは無かった。
学校に着く直前に和也は手を離し、手袋をはずした。
そのとき俺はやっと離してくれたと言う安堵した感情と、何故かまだ手を繋いでいたいと思った複雑な思いが心の中で交差していた。
『おはよう、今日も寒い』
「おはよ、お前が早いなんて珍しい」
和也と朝一緒に登校することは滅多にない。和也はだいたい登校時間ギリギリにやってきて、俺は朝早く、人がいない通学路を歩く。そして彼は何故か自転車ではなく徒歩で来ていた。聞いたところタイヤに穴があいてしまったらしい。
『たまには早く来てみようかと思ってな』
「そうか」
謎の発言を受け流してまたくだらない会話をする。口から出る言葉は白い空気となって消えた。
『あったかそうだな、手袋』
「あれ、いつも手袋はめてなかったっけ?」
『忘れた』
「じゃあ、はい」
何故か俺は自分のはめている手袋を外して渡した。
『おお、お気遣いありがとう。だけどそれじゃ文人の手が冷たくなるだろう?』
そう言った和也は片手だけ手袋をはめて、もう一つの手袋は俺の左手にはめた。そして和也は俺の右手を左手で繋いだ。
『こうすれば2人とも寒くない』
笑いながら話す彼の手は冷たかったけど心地よかった。
だが俺は心地よさより恥ずかしさが勝っていて顔が真っ赤になった。
「……俺、別に男が好きとかいう趣味じゃないんだけど」
『ん?俺もべつにそんな趣味はない。だけどこうしていればあったかいだろう?』
俺はあったかいを通り越して熱いくらいだった。ぶんぶんと手を振っても和也は手を話すことは無かった。
学校に着く直前に和也は手を離し、手袋をはずした。
そのとき俺はやっと離してくれたと言う安堵した感情と、何故かまだ手を繋いでいたいと思った複雑な思いが心の中で交差していた。
