Brilliant Brand blood
第1章 不運なりし侵入者〜満月に照らされたピアノ
誰も居なくなった一室に、静寂が戻る。
智「やっぱ一度は帰んなきゃダメかぁ」
一人ごちる声が氷りに包まれた部屋に反響する。受け止められぬ声は静寂に吸い込まれ、一つ、大きなため息をつくと、またも欠伸が出て、頭をポリポリとかく。
何をするとも無しな日々に退屈はしているが、だからといって退屈しのぎに命を奪う行為は本来趣味でない。にも関わらず、奪わねばならないのが面倒くさい。
放っておけば良い。
そうかも知れない。
しかし、そう出来ない事情を抱えている。
フーッ、
もう一つ、ため息をついた。
智「やっぱ、怒るよねぇ?途中で此方に戻っちゃったもん。でもさ、俺のせいじゃないよなぁ?ね?お願いだからさ、話し、しようよ、カズ」
碧の服を纏った彼は、変わらぬ様相のロープを纏わせたグランドピアノに突っ伏す体勢でゆっくりと、
ゆっくりと寄り添う様に、眼を閉じた。
グランドピアノに纏わりつく様なロープ状のナニカに覆われ、動きを制限されている、金色にも似た黄色の衣装がロープの間から見える。
グランドピアノに寝転がり、まるで今しがたまで奏でられる音色を聴き入っているような、柔らかな寝顔を浮かべる彼に寄り添う様に、碧の服を纏った彼も、柔らかな寝顔を浮かべる。
そんな穏やかな空気を纏う二人を、満月の光だけが変わることなく照らしていた。
一章、 Supermoonlightnight
fin…。
智「やっぱ一度は帰んなきゃダメかぁ」
一人ごちる声が氷りに包まれた部屋に反響する。受け止められぬ声は静寂に吸い込まれ、一つ、大きなため息をつくと、またも欠伸が出て、頭をポリポリとかく。
何をするとも無しな日々に退屈はしているが、だからといって退屈しのぎに命を奪う行為は本来趣味でない。にも関わらず、奪わねばならないのが面倒くさい。
放っておけば良い。
そうかも知れない。
しかし、そう出来ない事情を抱えている。
フーッ、
もう一つ、ため息をついた。
智「やっぱ、怒るよねぇ?途中で此方に戻っちゃったもん。でもさ、俺のせいじゃないよなぁ?ね?お願いだからさ、話し、しようよ、カズ」
碧の服を纏った彼は、変わらぬ様相のロープを纏わせたグランドピアノに突っ伏す体勢でゆっくりと、
ゆっくりと寄り添う様に、眼を閉じた。
グランドピアノに纏わりつく様なロープ状のナニカに覆われ、動きを制限されている、金色にも似た黄色の衣装がロープの間から見える。
グランドピアノに寝転がり、まるで今しがたまで奏でられる音色を聴き入っているような、柔らかな寝顔を浮かべる彼に寄り添う様に、碧の服を纏った彼も、柔らかな寝顔を浮かべる。
そんな穏やかな空気を纏う二人を、満月の光だけが変わることなく照らしていた。
一章、 Supermoonlightnight
fin…。