お嬢様と二人の執事
第10章 旅立ち
高宮が沙都子を抱き上げる。
自分の脚の上に沙都子を載せる。
「沙都子様、出来るでしょ?」
窓の方に頭を向けて寝転びにこりと笑う。
直接的な一言を言わずに騎乗位を要求する。
散々、神山と高宮に抱かれている沙都子。
それでも未だに処女のように恥じらう。
こんなにも身体は快楽に素直なのに…いつまでたっても清らかなままの沙都子。
この二面性が二人の男を惹き付けて離さないのを本人はまったく認識していなかった。
「恥ずかしいの?」
高宮の問いに素直に頷く沙都子。
そんな沙都子に高宮の顔に笑みが浮かぶ。
それまでの激しさとは別の感情が浮かんでくるから不思議だと高宮は思った。
高宮は身体を起こすとそっと沙都子をベッドに押し倒す。
「でも気持ちよくなりたいでしょ?」
悪戯っぽい笑みをこぼす高宮に沙都子は今度も素直に頷いた。
高宮は沙都子の腰を掴むと自分の膝に載せるようにしてそのまま挿入した。
腰が浮いた状態で高宮に揺すられる沙都子。
その顔には明らかに快感が浮かんでいる。
「あっ、あっ、んんっ、かずっ、かずっ、すきっ、あっっ」
「さとこっ、好きだっ、離したくないっ、ずっとっ、ずっとっ、側にいてっ、俺をっ…離すなっっ」
それは高宮の本音だった。
普段は漏らすことの出来ない本当の気持ち。
沙都子の心が神山のところにあるのはわかってる。
それでも…高宮は沙都子を離したくないと本気で思っていた。