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カクテルパーティー

第5章 言葉はもつれ始めて




「…うーん、気持ち悪い」


「大丈夫?
なんか飲むペース早かったよ?」


「大丈夫よ
先生はいっぱい居るから」



「ちょっと外に出よっか」


てかもう帰る!


三矢さんと店の外に出ると、どこからか遠くに賑やかな声や音が聞こえてくる

それらしい方へ目をやると色とりどりの明かりがついている

酔った目にもすぐわかった

「あ、お祭りやってんだね」


「行ってみようか!」

三矢さんは興味にかられてテンションが上がった



聴診器
はずせば遠く
祭り笛

どこかの先生が投稿していた句を思い出した


「気分はどう?」


「歩いていると少し楽になる」


祭りへと誘う三矢さんはなんだか妙に色っぽく見えて

今夜はなんだか…

なんなんだろう?


「彼氏とはどうなの?」


「うーんと
あまり会ってない」


「え?そうなの?
寂しくない?」


「今まで二、三度くらいしか会ったことないよ」


「…え?」


「忙しい人なんだよ」

「それに…」

三矢さんは前を向きながらしゃべっている


「親が決めた相手だもん」



僕は三矢さんの背中を見ながら黙って歩いた

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