レモンスカッシュ
第4章 M/A
M side
突然のことに、頭はほとんど動いていなかった。
でも、身体が反射的に動いていた。
急いで荷物を纏めて、化学準備室を飛び出た。
階段を駆け下りて、
社会科準備室で櫻井先生を…
「ま、松本先生?」
「あっ櫻井先生!!ちょっと…あの、相葉がっ…!」
スゴい勢いの俺を見て、苦笑いしていた櫻井先生は、
相葉、という名前を聞いて、表情が変わった。
「相葉がどうしました?」
「通学路で倒れていたと二宮から連絡がありました。」
「え…!?」
「救急車で病院行ってるので、先生も行きますよ!?」
「わ、解りました。」
「僕は教頭先生に事情を説明してくるので、」
「じゃあ俺、車回してきますね。赤い車です。」
「はい。」
階段を飛び降りるような勢いで降りて、
職員室。
「東山先生っ!」
「お~松本、どうした?」
「あの、櫻井先生のクラスの生徒が、道端で倒れてるっていうのを僕のクラスの生徒が見つけて…」
「倒れてた!?」
「はい。で、いま救急車で病院に向かっているので、僕と櫻井先生で病院に行ってきます。」
「分かった。その生徒、名前は?」
「2年の、相葉雅紀です。」
「相葉…。分かった。病院はどこだ?」
「まだ連絡きて無いので、解り次第連絡します。」
「行ってきなさい。」
教頭の東山先生を置いて、また走る。
正面玄関に回ると、
…赤い高級外車に乗った、櫻井先生。
「お、来た。乗って?」
「あ、失礼します…」
恐る恐る助手席に座る。
「二宮から連絡、来ました?」
「まだですね…」
「連絡ねーと動けないし…」
櫻井先生が少し苛立った様子で外を見る。
「…アイツ、無理しすぎなんだよな…」
「相葉、ですか?」
「あぁ…」
いつもより低めの声には、
静かな怒りが含まれていて。
「アイツいま、親いねーの」
その怒りは
こんな事態を未然に防げなかった
櫻井先生自身に向いているのだと気づいた。
「…なんとなく、気づいてました」
突然のことに、頭はほとんど動いていなかった。
でも、身体が反射的に動いていた。
急いで荷物を纏めて、化学準備室を飛び出た。
階段を駆け下りて、
社会科準備室で櫻井先生を…
「ま、松本先生?」
「あっ櫻井先生!!ちょっと…あの、相葉がっ…!」
スゴい勢いの俺を見て、苦笑いしていた櫻井先生は、
相葉、という名前を聞いて、表情が変わった。
「相葉がどうしました?」
「通学路で倒れていたと二宮から連絡がありました。」
「え…!?」
「救急車で病院行ってるので、先生も行きますよ!?」
「わ、解りました。」
「僕は教頭先生に事情を説明してくるので、」
「じゃあ俺、車回してきますね。赤い車です。」
「はい。」
階段を飛び降りるような勢いで降りて、
職員室。
「東山先生っ!」
「お~松本、どうした?」
「あの、櫻井先生のクラスの生徒が、道端で倒れてるっていうのを僕のクラスの生徒が見つけて…」
「倒れてた!?」
「はい。で、いま救急車で病院に向かっているので、僕と櫻井先生で病院に行ってきます。」
「分かった。その生徒、名前は?」
「2年の、相葉雅紀です。」
「相葉…。分かった。病院はどこだ?」
「まだ連絡きて無いので、解り次第連絡します。」
「行ってきなさい。」
教頭の東山先生を置いて、また走る。
正面玄関に回ると、
…赤い高級外車に乗った、櫻井先生。
「お、来た。乗って?」
「あ、失礼します…」
恐る恐る助手席に座る。
「二宮から連絡、来ました?」
「まだですね…」
「連絡ねーと動けないし…」
櫻井先生が少し苛立った様子で外を見る。
「…アイツ、無理しすぎなんだよな…」
「相葉、ですか?」
「あぁ…」
いつもより低めの声には、
静かな怒りが含まれていて。
「アイツいま、親いねーの」
その怒りは
こんな事態を未然に防げなかった
櫻井先生自身に向いているのだと気づいた。
「…なんとなく、気づいてました」