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恋空予報

第17章 幸せの形







お昼ご飯の愛妻弁当を忘れてきて
翔ちゃんとオムライスを頬張る。



「んっ、このデミグラスソースうまっ」

「だろ?ここのオムライスが
一番うまいんだよな。

絶品だろ?他んとこで食えなくなるよな」

「……いや、ニノの方が
美味しいねっ!」



俺がニノの得意料理を
紹介したら翔ちゃんが
少しむっとしながら。



「潤の方が料理上手だもん!
絶対二宮先輩より上手!!」

「いーやっ!ニノの方が
絶対に上だからね!」




俺たちがギャーギャーやってたら
会社の先輩たちに怒られた。



「翔ちゃんのせいだあ……(泣)」

「雅紀が二宮先輩の得意料理を
紹介とかするから……っ!」



翔ちゃんはまだむっとしている。


ふと、俺の携帯が鳴った。



メールを受信したときに
鳴る音。


スマホの画面をスクロールして
メールボックスを開く。


そこには、"ニノちゃん"と
表示されてる。


それが嬉しくて、
思わず声に出てた。



翔ちゃんが俺の顔を見てから
スマホの画面を覗いた。



「いいなあ…雅紀は…」

「えっ?そ、そうかな!?」



翔ちゃんは奥歯を
強く噛んでいた。


そんな翔ちゃんを見ていたら
なんだか可哀想になってきちゃって。


同情してる訳じゃなくて
本当に。


翔ちゃんの横顔を見ていたら
俺まで切なくなってきた。

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