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黒猫ニーノと相葉さん。

第12章 スーパームーンの夜に。

「うわ……。

今日はなんか月が大きいなって思ってたけど
凄いや…」


「ちょうど22時過ぎから22時半くらいまでが
一番大きく見えるんだってさ」

「へぇ…
じゃあ正に今がベストタイミングだね。」



時刻は PM 22:08 。
部屋の電気を消して
二人は月を見ながら夜会の続きを始めた。



「今日のこのデカイ月さ、
スーパームーンっていうんだって。

願い事が叶うらしいよ?
だから
雅紀に今夜空けといて、って言ったんだよ」


「うん?どーゆーこと?」




「ニーノくんを人間に戻してくれって
一緒に願おうかと思ってさ。」


「翔ちゃん…

しょーちゃぁぁーーーーん…」



相葉さんが翔くんに抱きついて
翔くんは笑ってるけど嬉しそうで
相葉さんからは
グスン、って鼻を啜る音が聞こえた。



『もうすぐだぞ、ニーノ』

『うんっ。』


時計を見ながら
タイミングを図る。



PM 22:22:00 。


『いくぞ。 せーの、』



『にゃーーーぉ』『なーーーごっ。』



「おっ?どーした?二人共。

あ!月が更に近くなったな。よし、雅紀!やるぞ!」


翔くんが相葉さんを立たせて
ガラス戸を開けた。


PM 22:22:15 。



 パンッ! パンッ! 


翔くんが柏手を打つと
相葉さんも真似して柏手を打つ。


5秒前、

4、

3、



「せーの、」


「「ニーノが人間に戻れますように!」」





秒針が “22” を通過した。

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