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黒猫ニーノと相葉さん。

第12章 スーパームーンの夜に。

ぼくはゴクリ、と生唾を飲み込んだ。


『わ、わかった。』


ぼくが人間になったら
相葉さんはきっと凄く喜ぶだろう。
だから、ぼくも嬉しい。
嬉しいけど…


『オーノ様はなんで
ジェイにそこまで話してくれたの?
こーゆーのって月神様の機密事項じゃないの?

オーノ様に
ペナルティーとかあるんじゃないの…?』



『大丈夫だから。

ニーノは何も心配することはないよ』


『そうなんだ…
わかった。』


ちょっと腑に落ちないけど
ジェイが大丈夫って言うんだから大丈夫なのかな。



相葉さんと翔くんとは既に酒盛りに入ってる。


『なんか、二人って兄弟みたいだね。』

『そうだな。』

ジェイがふわっと笑った。




「この山芋のやつめちゃくちゃ美味いよ!」

「ホントに? よかったぁ」

「俺でも作れるかな?」

「ダメ、ダメ!
翔ちゃん不器用なんだからさ、手ぇ切るよ?
食べたくなったらウチに来なよ、ね?」

「ははっ。どんだけ料理出来ないキャラだよ(笑)」



二人でひとしきり笑ったあと
翔くんがポツリと呟いた。



「やっぱり雅紀には笑顔が一番だよ」

「えっ?」


「ずっと笑顔でいて欲しいからさ、
今日は願掛け!

こっち来てみ?」


翔くんがベランダのところのカーテンを大きく開けて
リビングに黄金の月明かりが煌々と射した。

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