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黒猫ニーノと相葉さん。

第1章 月神様にお願い。

☆ニーノSide☆



ぼくは黒猫。
名前はニーノ。




「ニーノっ!行ってくるね!」


今日もバタバタと
お仕事に出掛けていく

ぼくの飼い主、相葉さん。




相葉さんがぼくの首をゴロゴロと撫ぜると
赤い首輪に付いた金の鈴がリンと揺れる

んー。気持ちいぃ。



『なーごっ。(行ってらっしゃい。)』



ぼくはスリスリと
相葉さんの足元に擦り寄った



「ダメだよ、もう行かなくちゃ」



ちょっと寂しくて
ちょっと妬いちゃうのは

相葉さんのお仕事が
猫カフェの店長さんだから。


ぼくのことは置いていくのに…



「いい子にしてるんだよ?」

うん。ぼく、いい子にしてる。
相葉さんの帰りを
いい子で待ってる。


相葉さんはぼくを抱き上げて
鼻と鼻をくっつけた


「じゃあね、ニーノ」



そっとぼくを下ろすと
玄関のドアをガチャッと開けた


太陽の日差しが
ドアの隙間から斜めに差して

んー。眩しい。




『なーーーごっ。(気を付けて行ってらっしゃい。)』






これがぼくと相葉さんの
一日の始まり。

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