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黒猫ニーノと相葉さん。

第16章 ぼくのおかあさん。

☆ニーノSide☆



「何見てるの?」


夕食を済ませてお風呂にも入って。
いつもなら晩酌しながらテレビを見るのに
今日は相葉さん、パソコンを弄ってる。


「仕事で、ちょっとねぇ…」




相葉さんはパソコンがあまり得意ではなさそう。
ブラインドタッチが出来ないから
右手の人差し指で
ポチッ。ポチッ。ポチッ。
一つずつキーボードを打つ。


「動物掲示版?」

「そう」


地域を選択したあと
動物の種類と細かな特徴
【貰ってください】【譲ってください】
【探しています】【保護しています】【その他】
のどこかにチェックを入れてENTERを押せば
探したい情報がわんかさでてくるんだって。


「何を探してるの?」

「お店のお客さんの飼い猫がね、帰ってこないんだって。
お店に貼り紙もしてあるんだけどね…」




【保護しています】の所を念入りに探してみたけど
居なくなった猫は掲示版には載っていなかったから
今度は【探しています】に投稿するんだって。


「頼まれたんだよ。お客さん、パソコン使えないんだって」


なるほど。

「よし、出来た!」


ふうっ、と一息つく相葉さんの隣りで
ほんの出来心で
【黒】にチェックを入れてENTERを押した。

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