黒猫ニーノと相葉さん。
第16章 ぼくのおかあさん。
貰ってくださいばかりで
譲ってくださいはたったの1件。
やっぱりぼくら黒猫は需要が無いんだな…
チラッ、と相葉さんの方を見ると
ビスケットを頬張りながらビールを堪能中で。
「ねぇ、相葉さん」
「うん?」
「相葉さんはぼくを拾ってくれた時
黒猫じゃ嫌だなって思わなかったの?」
「え?なんで?」
「なんで?って。
不吉でしょう?黒猫なんて。」
シュンとして俯くぼくを
相葉さんは優しく撫でてくれた。
「そんなの、いつの時代の話?
ニーノはすっごく可愛かったんだよ?
今でも可愛いけど。」
真っ直ぐな瞳で言うから
嬉しいのと恥ずかしいのとで顔が真っ赤になっちゃって。
「ふふっ。
やっぱり可愛い!
ニーノは世界一可愛い!」
ムギューって抱きしめられた。
ぼくにも
同じ日に生まれた兄弟がいたはずだ。
でも
あの日、ダンボールの中に居たのはぼく一匹だけだった。
あの日の記憶は鮮明にあるのに
それより前のことは覚えていない。
ぼくの兄弟のこと
ぼくのお母さんのこと
何も覚えていない。
どうしてぼくはひとりぼっちだったんだろう…?
譲ってくださいはたったの1件。
やっぱりぼくら黒猫は需要が無いんだな…
チラッ、と相葉さんの方を見ると
ビスケットを頬張りながらビールを堪能中で。
「ねぇ、相葉さん」
「うん?」
「相葉さんはぼくを拾ってくれた時
黒猫じゃ嫌だなって思わなかったの?」
「え?なんで?」
「なんで?って。
不吉でしょう?黒猫なんて。」
シュンとして俯くぼくを
相葉さんは優しく撫でてくれた。
「そんなの、いつの時代の話?
ニーノはすっごく可愛かったんだよ?
今でも可愛いけど。」
真っ直ぐな瞳で言うから
嬉しいのと恥ずかしいのとで顔が真っ赤になっちゃって。
「ふふっ。
やっぱり可愛い!
ニーノは世界一可愛い!」
ムギューって抱きしめられた。
ぼくにも
同じ日に生まれた兄弟がいたはずだ。
でも
あの日、ダンボールの中に居たのはぼく一匹だけだった。
あの日の記憶は鮮明にあるのに
それより前のことは覚えていない。
ぼくの兄弟のこと
ぼくのお母さんのこと
何も覚えていない。
どうしてぼくはひとりぼっちだったんだろう…?