黒猫ニーノと相葉さん。
第16章 ぼくのおかあさん。
「ニーノ」
「んーっ…。」
ぼくの名前を呼びながら
身体を揺すり起こしてたのは
オーノ様じゃなくて相葉さんで。
いつの間に寝ちゃったんだろう。
目が覚めた時にはきちんと布団がかけられていた。
「おいで。ニーノ」
相葉さんがベッドの縁に座って
心配そうにぼくを見つめて。
そしてまたぼくの名前を呼んで
両手を広げた。
「悲しい夢でも見てたの?」
その胸の中に吸い込まれるように半身を預けると
すっぽりと包んでくれて
子供をあやすみたいに背中をトントンしてくれる。
「怖い夢なんて見てないよ。」
変な寝言でも言ったんだろうか?
気になるじゃない。
「ならいいんだけど。」
相葉さんの視線の先には
涙のシミができた、ぼくの枕。
ぼく、泣いてたの?
背中でトントンと
リズムを刻む大きな手が心地良い。
すうっと深呼吸をすると
いつもの相葉さんの匂いがした。
「ぎゅってして?」
安心するの。
「相葉さん。大好き…」
「ふふっ。俺も大好きだよ?」
「ママ…」
「ママ?」
「ううん。なんでもない。
目玉焼き一緒に作ろう?
約束してたでしょ?」
「そうだね。作ろっか。」
相葉さんのこの胸の中は
幼いぼくが本能で求めた居場所なんだ。
いつだって温かくて
いつだって優しい
ぼくがぼくに還る場所。
「んーっ…。」
ぼくの名前を呼びながら
身体を揺すり起こしてたのは
オーノ様じゃなくて相葉さんで。
いつの間に寝ちゃったんだろう。
目が覚めた時にはきちんと布団がかけられていた。
「おいで。ニーノ」
相葉さんがベッドの縁に座って
心配そうにぼくを見つめて。
そしてまたぼくの名前を呼んで
両手を広げた。
「悲しい夢でも見てたの?」
その胸の中に吸い込まれるように半身を預けると
すっぽりと包んでくれて
子供をあやすみたいに背中をトントンしてくれる。
「怖い夢なんて見てないよ。」
変な寝言でも言ったんだろうか?
気になるじゃない。
「ならいいんだけど。」
相葉さんの視線の先には
涙のシミができた、ぼくの枕。
ぼく、泣いてたの?
背中でトントンと
リズムを刻む大きな手が心地良い。
すうっと深呼吸をすると
いつもの相葉さんの匂いがした。
「ぎゅってして?」
安心するの。
「相葉さん。大好き…」
「ふふっ。俺も大好きだよ?」
「ママ…」
「ママ?」
「ううん。なんでもない。
目玉焼き一緒に作ろう?
約束してたでしょ?」
「そうだね。作ろっか。」
相葉さんのこの胸の中は
幼いぼくが本能で求めた居場所なんだ。
いつだって温かくて
いつだって優しい
ぼくがぼくに還る場所。