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黒猫ニーノと相葉さん。

第8章 青い『×』のサイン。

寒いねって言いながら
ぼくたちは家へと向かう。



一緒にお風呂に入ってマッタリすると
今日一日の出来事を思い出して
ついつい頬が緩んじゃう。



「恋人、かぁ。」



「何、ニヤニヤしてるの?ニーノ。」



相葉さんが
ぼくの顔をのぞき込んだ。


「プリントアウト出来たよ、ほら。」




写真の中のぼくたちは
ちょっぴりはにかんでて。


「二人共幸せそうな顔してる。」


ミュージアムで買った綺麗なフォトフレームに写真を入れて
リビングに飾った。
ぼくが猫だった時の写真の隣りに並べて。




「おいで。ニーノ。」

相葉さんが大きく手を広げるから
ぼくはおずおずと近寄って
腕の中にスポッと収まった。



「好きだよ、ニーノ。」

「ぼくもだよ。
相葉さんが好き。大好き。」



腕の力がグッと強くなる。

相葉さんの心臓の音が
心地よくて

幸せだ。とっても。




「大事にしたいんだ、ニーノのこと。」

ぼくを抱きしめたまま
相葉さんが言う。


「充分大事にされてるよ?」

だって
相葉さんはいつだって優しくて
こんなにも幸せで。



「日々葛藤だよ。」

そう言って
ふふっ。と笑った。

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