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黒猫ニーノと相葉さん。

第8章 青い『×』のサイン。

「あと何日あるんだっけ?」


オーノ様が
ジェイと同じことを聞く。


「5日…。」

「今度の土曜いっぱいか…」


ソファーから立ち上がり
カレンダーの目の前まで行くと
しばし考え事をしてから
土曜日と日曜日の間に
青いペンで大きく『×』と書いた。



「ダメですよ、勝手にそんなことしちゃ。」

「サインだよ」

「サイン?」

「この日が最後、って口には出せないけど
もしかしたら
相葉さんがこのサインの意味に気付いてくれるかもしれないだろ?」


仮に気付いたところで
その意味を聞かれても答えられないじゃんか。
何をしたって
もうどうにもならないんだって
虚しく思えた。



「後悔の無いように
今、自分がやらなきゃならないことをしっかりな。
逃げんなよ、ニーノ!

じゃあな!」



オーノ様が帰ったあと
相葉さんが今までぼくに見せてくれた笑顔を思い出す


相葉さんの作った料理を
ぼくが『美味しい』って食べた時も
笑顔を見せてくれたっけ。


冷たくなった目玉焼きを
一口頬ばった。




「美味しい。」




相葉さんの
愛の味がした。

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