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ずっと隣で笑っていて

第14章 第十四話

香水の匂いが鼻をつく 酒と入り交じった匂いが 俺の身体中の毛穴から染み込んだみたいで

吐き気がする

あの女の声が

匂いが

消えない…


フラフラになって部屋までやっとたどり着いた

智はソファーで寝ている

「智…風邪ひくよ」
泣いてたのか?

長い睫毛が濡れてる
ごめんね…智

もう少しだ…


撮影が終わるまで…

お前を絶対一番にするまで…


がまんしてくれ

寝ている智を抱き上げベッドに寝かせた

シャワーを浴びて女の匂いを消す

消えない…

どんなに擦っても

消えない…

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