テキストサイズ

ずっと隣で笑っていて

第21章 第二十一話

戦況も厳しくなり 毎日特攻機が出撃していった

俺たちはただ見送るしかなかった


無事に戻ってこい とは言えない…


相手に突っ込んで撃沈させろ


それが目的で国を守るためだと教えられてきたから…


「ただ死ににいくのが国のためなのか…」


翔ちゃんは毎夜 そう言って 空を見上げてた

「日本は負けないって上官が言ってるよ」 雅紀が呟く


「俺たちが敵をやっつければいいんだよ」 潤が息巻く

「翔ちゃん… みんなの前で言っちゃダメだよ」 和也が諭す

「俺たちも近いうちに出撃だよ」

俺の言葉に皆が俯いてしまった


誰でも死ぬのは怖いに決まってる

それを言葉に出来ないだけだ…


翔ちゃんが言った


「俺たちは必ず戻って来よう 無駄死にはしない!」


翔ちゃん…君の言葉を信じたい

ストーリーメニュー

TOPTOPへ