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ずっと隣で笑っていて

第25章 第二十五話

その日から俺は毎日
翔に会いに行った

桜の花も蕾が膨らんで一輪一輪可憐に咲き始めて


荒んだ俺の気持ちも
少しずつ霧が晴れるように穏やかになっていった


翔はいつも桜の花をいとおしそうに見つめていた


その横顔が美しくて そして儚くて


今にも消えてしまいそうに見えた


「ねぇ 聞いていい?」


「なに?」


「翔はいつも花を見て何を思ってるの?」


「綺麗に咲いて みんなの気持ちを幸せにしてくれるのを見守っているんだよ 智くんも そう思わないか? 桜を見ると幸せにならない?」

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