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ずっと隣で笑っていて

第25章 第二十五話

翔の頬を涙の滴が溢れた


「翔 消えないで…」


消えかけてる指が頬を擦る


「智くん 泣かないで… 君はこれから 幸せになるから… 僕の涙で君の不幸は吸い取ったよ だから何も心配いらない」


「また桜が咲いたら会える?…」


「いつか 必ず会える日がくるよ それまで智くん… 頑張って生きてほしい 負けないで生きてほしい… 僕を忘れないで…」


忘れない


絶対に…


俺たちを包んでいた花びらが少しずつ消えていく


翔の身体も一緒に消えていく…


最後の一枚が手のひらに落ちた


翔… この街で頑張ってみるよ


また君に会えるまで
頑張ってみる


だからここで見ててね


桜の木に手をあててみた


翔のぬくもりがそこにあった





おわり

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