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ずっと隣で笑っていて

第25章 第二十五話

桜の花びらもあと数輪となった


俺はスケッチブックを手に公園へ向かった


翔の身体の先に桜の木が見える


「翔…」


「智くん 来てくれたんだね 今までありがとう」


そう言って抱き締めてくれた


「翔 これ見てくれる?」


スケッチブックを差し出した


「…綺麗 これが僕? うれしいよ ありがとう」


なんて儚く笑うんだよ…


「お礼に見せてあげるね」


そう言って翔が両手を広げる


風もないのに 花もそんなに咲いてないのに


桜の花が俺たちを包んだ


風に舞うその花びらの中で翔が抱き締めてくれた


ヒラヒラと華麗に舞う花びら…


「さよならだよ 智くん…」


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