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嫌われ狸の一生

第7章 ギャンブル

高校生だったので、バイト代があったので、それで助けようとも思ったが、ボクのバイト代には一切手をつけず、毎日おじやにしてでも乗り気ってみせたのは母親の意地だな。

その時はさすがの母親も激怒したが、自分がこんなことをしても逆ギレして暴れるのが父親だ。

父親が暴れた時、ボクは逃げた。
自分が怖かったのだ。もう高校生、ガチで戦ったらこんな男は叩きのめせるのは分かっていた。

ヘタをすれば重傷を負わせたり、最悪殺してしまうかも。

キレたらとことんまで止められない自分が怖かった。

くそ面白くもないとほざいて家を飛び出した。
外に出るとボクは泣いていた。止められない自分が怖くて母親や妹を助けることもできずに置き去りにした自分が情けなかった。

その頃は10歳上のお姉さまが恋人だった。
多分ボクが電話したのかな。お姉さまの家族には交際はまだ秘密だったので、家族が出たら切るつもりだったのかな?そこはよく覚えていない。

お姉さまに会ったボクは泣いていたと思う。
二人でラブホテルに行った。

話を聞いたお姉さまは、○○ちゃんはやっぱり優しいんだねと言ってボクを抱き締めた。

この優しいの意味は分からない。そんな状況でも父親を叩きのめさないのを選んだことか、母親や妹を心配していることか・・

その夜はラブホテルでお姉さまと一晩を過ごしたが、お姉さまが家に連絡はするように言ってくれたので、ラブホテルの電話から(笑) くだらないから友達の家でオールナイトでゲームをやるとだけ言って電話を切った。

当時の家の電話はダイヤル式の黒電話だったから番号が表示されることもない。

家族の話題を振ると○○ちゃんが何だか不機嫌になるのがよく分かったとお姉さまが言った。

お姉さまとは将来結婚するとかの話もしたので、家族の話題も何度かあったが、ボクは曖昧に答えていたと思うが、そんなに不機嫌にしていたかなと思った。

もちろん結婚してもあんな家には住まないし(物理的にも無理です)、ボクはきっぱり独立するとも言った。

お姉さまは、いつか分かり会える日もくるよと抱きしめてくれた。

翌朝、お姉さまに近くまで送ってもらったボクは朝帰りしてそそくさと支度をすると学校に行った。
こんな状況でもちゃんと学校行くんだ(笑)

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