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嫌われ狸の一生

第8章 アルバイト

冬休みもお姉さまがいるスーパーに行こうとしたが、そのスーパーは1月以上働けるバイトでないとダメだった。夏にまた来てね~と言われた。

たまたま年末に大量生産が入って忙しくて猫の手も借りたいぐらいの電子機器製造工場を見つけた。
飛び込んでアルバイトを申し込むと、うんもすんもなく今日からでも仕事をしていけって有り様。

この工場の総務課のお姉さまがまた超可愛くて、アタックしたいところだが、スーパーのお姉さまとラブラブだったので、工場では何もなかった。
アルバイトが終わった時に総務のお姉さまからバイト代を手渡されたのが嬉しかった。

バイト代はワリとよかったが、仕事は次々に流れてくる部品に設計図のとおり配線を付けてハンダ付けをするというもの。
最初は珍しいし面白いが、慣れてくると恐ろしいほどの単調な作業の繰り返しで気が変になりそう。
まさに歯車の一部。
ラインでボクの次の人は何やら組み立てているみたいだったので、どうせならそっちがいいなとも思った。

春休みはホームセンターでバイトをした。
ボクはじいちゃんと組んで配送係。
春ってね、転勤や入学、就職の季節だから机や家具などの大型商品の配送が多いんだな。

まいったのは、8階の部屋に机やタンスを配送するのに、まさかのエレベーター故障。マジかよ。
じいちゃんと二人でわっせわっせ言いながら階段で運んだよ。

へっぴり腰とか怒鳴られて、こちらもジジイこそよぼついてんじゃね~ぞと応戦してケンカしながらも息を合わせて運んだな。

今時の根性もない小僧だと思ったが、なかなか頑張るじゃね~かとじいちゃんに飲みに連れていってもらった(笑)当時はそういう時代さ。
自転車の飲酒運転も問題なかったし。

そして夏休みはお姉さまのいるスーパー。
夏はスイカとか大物がたくさんあるから、ボクみたいなパワフルな人は重宝されるんだよね。

二年生の冬休みは郵便局の配達をやった。
バイト代は最低賃金しかもらえないが、これは楽だ。
ちなみに当時の最低賃金は550円。現在が680円ぐらいのことを思うと厳しいな。
なるべく600円以上のところを探していた。

郵便配達は与えられた郵便物を配りさえすればサボっていてもいい。午前一回、午後一回が基本だが、ボクはサボりもするが、一日三回配ったりもした。

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