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嫌われ狸の一生

第9章 決定

お姉さまのすぐ下の妹が結婚したばかりなので、親戚とかに対する世間体もあったのかな。

妹に先を越されて焦って高校生なんてたぶらかしてとかも言われたみたい。

ともかく、猛反対で別れることになったのが高校3年生になる頃(泣)

でも、嬉しかったな。
お姉さまがボクとのことを真剣に考えてくれて、真剣に行動してくれた結果だもん。

駆け落ちとかデキ婚も考えたけど、やっぱりお姉さまには家族とかにも祝福されてほしいからね。

ともかく、そうなったら遠くの支店とかがある企業に就職決定だ。
ボクは一人で決めて、今の会社の入社試験を受けた。

実は、高校3年生の冬に父親が会社をやめて、数ヵ月無職だった。
学校の学費とかが未納になってアルバイト代金とかから払ったりもした。

会社には採用となり、当初は本社勤務だから遠くに行けることになったが、やはり家族を捨てるには躊躇もあったが、これで迷いはなくなった。

妹のことはどうしようと思ったが、父親の会社も何とか決まって高校までは行かせてもらえる見通しになったので、妹は家に残した。

妹も高校まで行かせてもらったらさっさとこんな家は出ると言っていた。

懲りないというか、無職になっても大きな夢を見るのが父親という男で、アルバイト代金から学費とかを払っても感謝の言葉をいうどころか、今に収入のいい仕事をするから学費なんて利子を付けて払ってやるのに余分なことをしやがってと怒る始末。

この態度はボクの決定を揺るぎないものにする起爆剤ともなった。

実は、先生の夢も捨てられないし、家を出るにしても近くにはいられることも考えて学校教育事務も受けてそちらも合格していたのだ。

学校の事務員さんとかです。
学校に身を置いて勉強していつかは教員試験を受けようってわけ。

ともかく、学校教育事務は断った。

学校教育事務にすればよかったかなと後悔もしたけど、そちらに進んでたらきっと悪いことをして今頃は刑務所だから、やはりやめてよかった(笑)

ボクみたいに学費を滞納してる女子高生とかいたら、払ってあげるから代わりに・・ひひひとか、やりそうだな・・絶対やってるな・・今頃は刑務所だった

かくして、ボクは高校卒業と同時に社会の荒波に向けて一人旅立った

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