カラダも、ココロも。
第2章 目覚めと、夕暮れ
ピピピッ、ピピピ…
携帯のアラームで目が覚める。
(もう朝かぁ…)
カーテンから漏れるオレンジの光が差し込み、私を照らした。
西藤 柚、22歳。
現在彼氏なし。
「いってきまーす。」
ぼさぼさの髪でカロリーメイトを頬張り、徒歩30分で着く職場に向かうのが、私の日課。
職場の店名は、【select】。
外装はゴシック調で、ワインレッドの皮張りのドア、
2、3階はダイヤをあしらった窓。
黒く艶やかな壁から上品な印象を受ける。
ここは大手企業の社長さんや資産家が接待等で利用する、有名な高級クラブ。
ここのクラブは部門が別れていて、
1階から3階の順に、キャバクラ部門、ホステス部門、セクキャバ部門がある。
私はというと…セクキャバ部門だ。