テキストサイズ

小さな恋のストーリー

第3章 あの森の二人

カタカタカタと小窓が揺れる音で目が覚めた。


12月になるとこの森はすっかり木々の葉も落とし冬の顔になる。


この森に帰ってきてもう五回目の冬の訪れで僕はスッカリここの四季に馴染んでいた。


「千晶、もう起きる時間よ」


「う~ん、寒いからもう少し...」


雫の声が聞こえたけど僕は布団に潜った。


「ちょっと、千晶!学校遅れちゃうでしょっ」


「わっ...」


布団を剥がした雫の顔は真っ白な能面みたいで、マジで驚いた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ