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Face or Body

第11章 3年後…ヒカルの場合

海浜署にもどった
デーブとヒカルに
サクラコがコーヒーを運んできてくれた。

『そうかぁ… 残念な空振りだったね…
お疲れさま』
と労いの言葉をかけてくれた。

マサなる男が
消息不明なら
自首した男の自供が正しいだろうし
突然の消息不明なら
マッハ密売の動かぬ証拠を
処分する時間も確保できなかったはずだ…


『やっぱ早合点だったかな?』
とデーブは呟きながら
『嬢ちゃんはどう思う。』
とヒカルに声をかけた。

『――――――……………。』
ヒカルは
首にかけ続けている
アキラからの最初のプレゼントだった
指輪のネックレスを
服の上から握りしめて思索に
耽っていた…。

『あ… ダメだこりゃ…』
デーブはヒカルからの返答をあきらめた。

ヒカルがそのしぐさをした時は
なにか心に引っ掛かる
謎というなのパズルを
解こうとしていることを
デーブは丸3年の相棒歴で知っていた。

そのとき
課長の久保寺が
『おい!!みんな聞いてくれ。 あの自首した男…。偽名を使ってたぞ。身分を証明するものをなにも持たなかったから、照会がおくれたが…。
彼の本当の名前は【山里宏樹】だ!!』

その名前!!

ヒカルとデーブが相棒として挑んだ
最初の事件の被害者…
マッハに侵された
石綿優に凌辱の限りを尽くされた

『あの山里美咲の…夫……!?』

ヒカルは
思索を中断して
デーブと顔を見合わせた!!

ヒカルの過去が
ヒカルの今を追いかけてきた…。

こうして
ヒカルの3年後が始まった。

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