Face or Body
第3章 カケル(27)
『俺じゃない!!』
『俺じゃないっす!!信じてください!!』
『俺ホントになにもしてないです!!』
何度も何度も警察官たちからの
冷ややかな目を向けられた
取調室で俺は叫んだ
訴えた…。
何度も何度も法廷で
訴えた…何度も何度も獄中で
心のなかで叫び続けた。
どうして
こうなったんだ…
あの日の朝…
ようやく決まった就職先に向かう電車の中で
いきなり
あの女に腕を掴まれ…
強引に電車から引きずり下ろされた。
俺は何が何だかわからず
その女の手を振りほどき
駅のホームから逃げ去ろうとした…。
すると
あのガタイのしっかりした
あの男が俺を押し倒した
取り押さえられた俺を
上から見下ろすかのように近づき
あの女は言った。
『なぜ逃げたんですか? あなたのせいでいったい何人の女性が涙を流して、心の傷を抱えたと思う?』
勝ち誇ったような
その言葉を
凛として言ってのけた
その女の口もとのホクロを
俺は忘れねぇ!!
そのメガネの奥に光った
切れ長の涼しげで正義感に溢れた
瞳を忘れねぇ!!
その黒髪を無造作に束ねたポニーテール…
絶対に忘れねぇ!!
アオヤマヒカル…
お前を
忘れねぇ……………
『俺じゃないっす!!信じてください!!』
『俺ホントになにもしてないです!!』
何度も何度も警察官たちからの
冷ややかな目を向けられた
取調室で俺は叫んだ
訴えた…。
何度も何度も法廷で
訴えた…何度も何度も獄中で
心のなかで叫び続けた。
どうして
こうなったんだ…
あの日の朝…
ようやく決まった就職先に向かう電車の中で
いきなり
あの女に腕を掴まれ…
強引に電車から引きずり下ろされた。
俺は何が何だかわからず
その女の手を振りほどき
駅のホームから逃げ去ろうとした…。
すると
あのガタイのしっかりした
あの男が俺を押し倒した
取り押さえられた俺を
上から見下ろすかのように近づき
あの女は言った。
『なぜ逃げたんですか? あなたのせいでいったい何人の女性が涙を流して、心の傷を抱えたと思う?』
勝ち誇ったような
その言葉を
凛として言ってのけた
その女の口もとのホクロを
俺は忘れねぇ!!
そのメガネの奥に光った
切れ長の涼しげで正義感に溢れた
瞳を忘れねぇ!!
その黒髪を無造作に束ねたポニーテール…
絶対に忘れねぇ!!
アオヤマヒカル…
お前を
忘れねぇ……………